神戸市灘区の珍名河川・盗人川


 神戸市灘区内を流れる"盗人川"..またえらい名前で呼ばれたものですが、通称などではなく普通河川としてのこれが正式名称です。どうしてこんな名がついているかという事については諸説あるようですが、残念ながら現在誰もその理由を正確に知る人はいないようです。。こんな名で呼ばれるからには、命名された際には当然その理由があっての事だったのでしょうが、今となっては誰も知る人も無く、河川名どころかその河川自体も忘れられたものとなり、ただ辛うじてその名前だけが残っているというのは何だか不思議な気が致します。この奇妙な名前と、都市河川としての佇まいに何故か魅かれて、電車に乗って見に行って来た訳です。
 場所は阪急王子公園駅から徒歩5分のところ。しかしおそらくは1日に非常に多くの乗降客が利用するであろう阪急電車の駅..その駅に"盗人川を見る"という目的で降りた人が私以外に一体いるんだろうか..もしかしたら開業以来私だけ??という疑問が頭をよぎります。。自分で言うのもヘンなのですが、考えてみればスゴイことかも。
 さて肝心の盗人川、実際にはどのような河川かというと、これが地図にさえ掲載されないような、小さな小さな河川(ドブ川?−と言ったら失礼かな)なのでありました。私は地元の者ではありませんので当然地理に詳しい訳は無く、例によって地図も無い状態ですので最初は場所を特定するだけでも大変でした。。漸く見つけることが出来た時は感動しましたよ、"此処に流れていたのね!?"と(笑)。何度かに分けて取材に行ってまいりましたが、都合上、今回のレポートでは下流部から上流部へと源流を目指して遡って行くことに致します。

 

盗人川下流部−

nusutto01.jpg (9190 バイト) nusutto03.jpg (9362 バイト)

 観音寺川との合流地点。場所は阪神西灘駅から徒歩3分のところ、灘南第2橋から上に向かって撮影したもの。上から流れて来ているのが盗人川で、左の暗渠の開口部が観音寺川です(陰になってしまっておりますが長方形をした開口部がお分かり頂けるだろうか..)。実際に見てもこの合流地点はかなり分かりにくいです。私も最初に訪れた時は全く気づかずに上流部からやって来たもののそのまま下流部まで行ってしまい、もう1度戻ってきてやっと気がついた次第でした。分かり難いといえばこの橋の銘板の取り付け位置もかなり分かり難かったんですが、橋桁の外側部分に付けられておりました。こんな場所にあって一体誰が見るというのでしょうか。いやしかし此処は都市河川..そもそも誰かに見せるという意図は無いのだということを改めて感じます。そんな事を考えながら橋の上で写真を撮っていると、ちょうど手前の家の勝手口がバーンと開いて、おばさまがおもむろにバケツの水をバシャッと川にお捨てになられました。。生活と密着した都市河川風景の1コマです。
 ちなみに観音寺川というのは盗人川とほぼ同規模の側溝..もとい2級河川(盗人は普通河川)で、此処まで盗人と並行して流れて来て、この場所で水を併せています。二川合流しても水量は三面コンクリートの河床をやっと浸す程度しかありません。雨の降った後は少し増えますが、大雨が降るとガラリと様相を変えたりするのでしょうか。合流地点から下は観音寺川となるので、盗人川としては此処が最下流部という事に。灘南郵便局のちょうど裏手あたりになりますが、住宅地のすぐ裏を流れているという感じです。典型的な"都市河川"という雰囲気。住宅地の中の合流点というのはそれだけで不思議にワクワクします。

 

CIMG2301.jpg (155331 バイト) CIMG2302.jpg (138844 バイト)

 日を変えて再び合流点に訪問しました。前回訪問した際には、河川に隣接して倉庫が建っていて全く近づけなかったのですが、今回それが撤去され駐車スペースになっており、こうして合流点に接近する事ができたのでした。デジタルカメラとプリンタを新調した事も大きいです。この日は大雨の翌日だったので水位がどうなっているか、訪問の前日からドキドキしていた(笑)のですが、予想通り水量はかなり多いです。元々河床部に傾斜がついているのですが、写真でも勢いよく流れている様子が判ると思います。ともかく観音寺川の暗渠開口部が初めてハッキリ撮影出来て感無量であります。

 

nya.jpg (12742 バイト) 近くの路地にネコがこんなにたくさん。。

 

CIMG2314.jpg (33111 バイト) CIMG2306.jpg (133029 バイト) CIMG2315.jpg (116998 バイト)

 合流地点のすぐ上にある灘南第一橋(なだみなみだいいちはし・竣工年月日表示無)から下を見ています。橋の柵前に植木やら何やらたくさん置かれてあってハッキリと見通せない状況なんですが、柵越しに無理矢理写メで撮影。左へ屈曲して流れて行く盗人川の姿が見えます。土地柄かなりの高低差がありますので、河床自体も傾斜している状態。この場所の雰囲気も個人的にかなり好きです。手前の護岸だけが、やけにコンクリートが白くて新しい気がするんですが、観音寺川との合流点を整備した時点で補修工事がされたのでしょうか。

 

nusutto06.jpg (60655 バイト) nusutto07.jpg (11872 バイト) CIMG2308.jpg (107799 バイト)

 JR線を越えて出て来たところ。先ほどの灘南第一橋から今度は上を見ています。トンネルの出口のすぐ手前が橋になります。此処のコンクリートも比較的新しいもののようです。いつも中央部分にだけ水流がある状態なのですが、よく見ると水が川床を削っているように見えます。かなり大きなトンネルになっているんですが、JR線より上は細い流れだったのに急に川幅が広くなっているのはどうしてなんでしょうか?このトンネルの中で一体どんな風になっているのかちょっと気になるところです。トンネルの中をのぞき込んでみると、中から生暖かい風が吹いてきてほのかに下水のかほりが..2番目の画像はトンネル内をフラッシュ撮影したものですが、この中に一体何が?下に降りられる場所も無さそうですし、傾斜もありますのでさすがにこのトンネルの中に入る勇気はありません。。

 

盗人川中流部−

CIMG2319.jpg (144731 バイト) CIMG2318.jpg (148620 バイト)

 暗渠に入る手前の部分。此処から地下に潜って更にJRを超える訳ですが、潜った上には住宅が建ち並んでいて、河川の痕跡は全くありません。中には随分と旧い建物が建っていたりもしますので、この部分の暗渠化は相当早い段階で行われたものと思われます。此処からJRの向こう、灘南第1橋まで長い暗渠となりますが、中の様子が気になります。

nusutto08.jpg (19971 バイト)

nusutto09.jpg (17660 バイト)

 暗渠の上と左右にも別の水路の開口部があります。こんな風に街の排水路の水を集めて、都市河川・盗人川は流れ行くのでした。ご覧のように此処ではこんなに細い流れなんですが、トンネルを越えると途端に川幅が変わるのは、もしかしたらトンネルの中で別の流れを併せているのかも?

 

nusutto14.jpg (18913 バイト) nusutto13.jpg (71966 バイト)CIMG2326.jpg (22017 バイト)

 暗渠入口部分に最も近い泉東橋にのみ唯一"盗人川"の銘板があり、これが無かったら普通に歩いていてもこの河川の名称は分からないところでした。しかしその銘板の取り付け位置というのが独特というか変わっていて、通常は親柱や柵の部分に取り付けるものと思っておりましたが、此処では橋桁部分に並行に付けられておりました。観音寺川にも数箇所同様のものが見られましたが、これが神戸市スタイルなんでしょうか?

 

CIMG2321.jpg (128146 バイト) CIMG2320.jpg (15690 バイト) CIMG2323.jpg (25053 バイト)
 泉東橋(いずみひがしばし)の銘板。竣工年月日はS57,2,28とありますが、"○年○月"ではなく日にちまでハッキリ入っているのは珍しくないですか?この日に落成式でも行われたんでしょうか。−というかよく見ると日付しか書いていない状態なんですが、これはもちろん竣工年月日でいいんですよね??

CIMG2327.jpg (36685 バイト) 泉東橋のある風景

CIMG2324.jpg (40384 バイト) 泉東橋の真下です。こうして見ると水量は思ったほど多くありません。

 

 

nusutto17.jpg (17106 バイト) CIMG2317.jpg (147648 バイト)

nusutto16.jpg (21451 バイト)

 中流部は実にたくさんの橋が架かっておりますけれど、その殆どが住宅やマンション、工場等の出入口用として便宜上架けられたもので、正式に名前のある橋はごく一部のみとなっています。しかしながら個性的な橋がたくさん。。上段左の写真は上流側はコンクリートブロック製、反対側は鉄柵という変則的な仕様となっております。しかも渡った先は行き止まりというのがまたシュール。。いや、嘗ては駐車場に出入りできたのかも知れませんが、安全のためかブロック塀とフェンスが施されており、その結果橋は全く意味を成さない存在になってしまったのでした。

 

CIMG2330.jpg (165222 バイト)

、、という訳でここから暫くは河川の姿が見れなくなってしまいます。。

 

CIMG2331.jpg (27787 バイト) CIMG2332.jpg (167255 バイト)

 下流側の欄干だけが辛うじて残る大内橋。銘板も無く、此処が河川であるとは殆どの人が気づかないかもしれません。しかし"雨水"でも"下水"でもなく"河川"という表示のあるマンホールが、此処はれっきとした河川なのだといじらしくも小さな主張をしています。。(哀)

CIMG2333.jpg (144396 バイト)

 暗渠化というのではないですが、実際のところ河川は隣接する住宅用通路や一般道路に蓋をされた状態で、殆どその姿を見ることができません。ただ、時折その隙間から小さなせせらぎが僅かに確認できるのみです。

nusutto20.jpg (70725 バイト) nusutto19.jpg (23609 バイト)

 鉄骨の下を往く盗人の流れ。。此処もそんな隙間の1つですが、覗き込んでよくよく耳を澄ますと水のせせらぎ音がちゃんと聴こえるのには感動します。→せせらぎ動画

nusutto22.jpg (26460 バイト) nusutto21b.jpg (7776 バイト)

 稗田東橋(ひえだひがしはし)。盗人川に架かる最初の有名橋ですが、見たところこの橋の銘板は灘南第一橋とこの先にある福住跨道橋のものと、どれもデザインがとてもよく似ており(観音寺川にも同様のものがありました)、同時期に設置されたものと思われます。しかもその何れもに竣工年月日が入っていない事から、元々名称の無い橋に後から取り付けたのかも知れません。しかしこの小さな橋にわざわざ銘板が入れられているということ自体に感動を覚えます。水はレンガ敷きの川底の右端を僅かに少量が流れるのみですが、傾斜がついている(灘の街は地理的にどの場所も殆どが坂道です)ため流れは急です。

nusutto21c.jpg (41612 バイト) 稗田東橋のある風景(春)

 

nusutto23.jpg (156810 バイト)

 稗田東橋の少し上から山手幹線通りを見ています。山手幹線には嘗て旧い石製の欄干が残されていたようですが現在では撤去され、ただ川を柵で覆っただけの味気の無い状態になってしまっております。フェンスで囲むのは仕方ないとしても、欄干は残して欲しかったところです。

nusutto23b.jpg (14374 バイト) nusutto23c.jpg (15171 バイト)

 山手幹線下の暗渠部分をのぞくと、開渠になる直前部分に水を少し堰き止める設備が施されており、其処から溢れた水だけが下に流れ出す仕組みになっていました。このトンネル部分の護岸や天井は随分と旧いもののようです。流路はおそらくほぼ直線で流れていると思われます。山手幹線を渡ると川は暗渠となり、そのまま水道筋商店街の下を流れます。アーケードのついた賑やかな商店街で、当然ながら河川の痕跡は全くありません。次に姿を現すのは阪急電車の高架下です。

ahiru.jpg (7518 バイト)  水道筋商店街の中で見かけた家鴨の看板。書かれた文字は判読不能。かなり年季が入っております。。


盗人川上流部−

nusutto24.jpg (77219 バイト) nusutto24a.jpg (196623 バイト)

 さて、水道筋商店街を超えてそのまままっすぐ行くと阪急電車の高架に出ます。この上を電車が通っている訳ですが、ご覧のように河川は厳重に金網で覆われてしまっておりますが、このガード下部分がちょうど福住の滝*1です。最初に見に行った時には椿の花がいじらしくも盗人を彩っておりました。さて、それでは金網越しに河川の光景をのぞいて見ることに致しましょう。

nusutto24c.jpg (139524 バイト)

 阪急のガードを過ぎると川はすぐに暗渠に入りますが、丁度金網の途切れるところから中をのぞくと一段下に水を落としており、まるで水琴窟のように、水音が響いております。河床部もきちんと整備されているようです。撮影は春でしたので、桜の花びらが季節の風情を醸し出しております。ちょっと腰掛けて休むのに良い場所ではありますけれども、此処は阪急電車の高架下。あまり油断して寛いでいるとモノスゴイ勢いで上を電車が通過して行くのであまり落ち着いてはいられません。。

nusutto24b.jpg (127627 バイト)

 金網の隙間から内部をフラッシュ撮影。奥に見える小さな段差こそが福住の滝*1であります。この部分、河川の規模が規模だけに水が全く流れない時も多いのですが、雨が続いたりするとちゃんと水が流れます。壁・床共に石積みが施されており、さながら都会の洞窟。見た目の旧さから言っても、これはおそらくは阪急電車開業時からのものでしょう。上の線路からも時折水滴が滴り落ちていて、洞窟然とした雰囲気です。屈曲していて陽も入りませんし照明もありませんので、中は暗いです。画像だけでは雰囲気がうまく伝わらないかと思いましたので動画を撮影致しました→動画

 

 nusutto25.JPG (39072 バイト) nusutto26b.jpg (109965 バイト) nusutto26.jpg (80262 バイト)

 阪急電車のガードをくぐり抜けた先にあるのが此処、通称・福住渓谷*2。場所は福住跨道橋のすぐ下の道路脇で、こちらも金網に覆われております。盗人のハイライト?私も実際に見るのを楽しみにしていた場所だったのですが、思っていたよりも更に規模が小さかったので、最初に行った時には此処も気づかずに素通りしてしまったものです。。暫く探し回ってようやく見つけました。やはり此処にも金網が施されているのですが、またもや金網越しに中をのぞくと、其処には生い茂る草木、そして旧いレンガの壁、コンクリートの地面を流れる盗人の水、とまるで箱庭のような風情を醸し出しておりました。。それぞれ角度を変えて撮影しておりますが、流路の先が先ほどの滝です。

 

nusutto27.jpg (74660 バイト) nusutto29.jpg (73407 バイト) nusutto30.jpg (76889 バイト)

nusutto31.jpg (80088 バイト)  

 

 

 

 さてこの先の源流部分ですが、此処まで来ると流れは更に細くなり、ご覧のように河川というよりも、住宅の前を流れる若干規模の大き目な側溝といった状態に。。中流部と同じく殆ど橋というか住宅用の通路で塞がれている格好なのですが、その裂け目から微かに盗人の流れを見ることが出来ます。意匠を施した旧い橋も架かっていたりしますが、サスガに銘板は入っておりません。暫くこの状態が道なりに続き、やがて完全にコンクリートで蓋をされた状態になります。

 

nusutto35.jpg (79857 バイト) nusutto36.jpg (75003 バイト) nusutto34.jpg (78260 バイト)

 そのまま暫く行くと道路は天城通3丁目付近でやがてT字路となり行き止まりに。この先にも斜交いにまだ北へと道は続いているのですが、コンクリートで蓋をされた状態の河川は此処で終わり。此処から上流は開渠になりますが右画像のような側溝状態です。実はちょうどこのT字路で2つの側溝が流れを併せているのですが、それによって水路幅が増大しようやく最初に河川ぽい雰囲気になるところがこの場所なのです。

nusutto52.jpg (123694 バイト)  開渠部から中をのぞいて見たところ。右が下流側となります。ちょっと見づらいですが、2つの側溝が流入して川幅を増幅させている様子がお判り頂けるでしょうか。コンクリートの下のこの合流点こそが盗人川の始まりです。そう考えると何とも感動的な光景ではありませんか。。

 実質的には此処を盗人川の起点と考えていいかも知れません。いや、やはり一般的には山手幹線の暗渠開口部が起点になるのかな。そこから上流は地図にさえも載らないかなりマニアックな流れですから。。何れにしてもここ・天城通から先はちょっと河川とは呼べない状態です。都市河川形成の始まりとしては、やはりこんな感じでしょうか。考えてみれば都市河川源流部のこれがごく自然な姿なのかも知れません。しかし街が都市化される前の、嘗ての姿もきっとそうだったのではないかと思います。おそらくは田畑を潤すための用水路のような細い流れが幾つも併さって、やがて河川となっていたのではないでしょうか。時代が代わり、街が変わり、盗人川は現在の姿になったという訳で、考えてみれば名のある一級河川ならともかく、カタチを変えても盗人川がその姿を現在も残しているというのは、それだけでスゴイ事なのかも知れません。都市整備の観点からいうと暗渠化されればそれなりにスッキリとした街づくりが出来るかも知れませんが、今まで其処にあったものが無くなってしまうというだけでも、それはやはり寂しいこと。暗渠化に反対される方はおられないかもですが、それでも心に或る種の寂しさを感じる方は多いと思います。。これからもこの小さな流れが、密かに愛され続けることを願ってやみません。。。

 

 

おまけ・盗人川水源を探る−

 盗人川起点に関しては前述した通りですが、それでレポートを終わってしまってはあまり面白くありませんので、ここはひとつ真の源流・水源を探ってみたいと思います。。まず盗人に流入する2つの側溝を検証します。1つは通り沿いにそのまま右折して来ているのですが、こちらは殆ど水量がありません。もう1つの流れは斜交いになった畑原通3丁目の道路沿を流れる側溝で、どうやら主な流れはこちらになるようです。この場所には何度も訪れておりますが、天候に関わらず何れの時も水の流れは同じで、畑原側溝から流入しておりました。したがってこちらを盗人本流と致します。さて、それではこの水は何処からやって来るのか?辿ってみたいと思います。

nusutto37.jpg (73745 バイト)

 これがその本流となる流れ。天城通を越えて畑原通に入りました。上流を見ています。写真手前の鉄の蓋がついた場所からこのまま道路の下に潜り、通りを斜交いに横切ってT字路の暗渠部分に流れ込んでいます。

 

nusutto38.jpg (76757 バイト)

 本当に単なる側溝なんですが、水の流れは少量ながら此処はいつもちゃんとあるんですよ。私が何度か訪れた限りでは乾いていた事は1度も無かったと思います。実は所々で隣接する住宅からのものと思われる排水管からチョロチョロと水が出ていたりもしたのですが、そんな幾つもの小さな流れを集めて流れ出し、やがて"盗人川"と呼ばれるようになるのです。"排水を 集めて速し 盗人川"

 

nusutto39.jpg (82878 バイト)

 少し行くと小さな滝がありました!!侘び寂びの極地です!!!

 

nusutto40.jpg (85030 バイト) nusutto41.jpg (80890 バイト)

 水の中に植物が自生しています。ちゃんと小さな花も咲いているんですよ。写真に収めた部分が全てではなくて、盗人本流となる側溝はこんなカタチでずっと道なりにまっすぐ続いております。しかしこんなところを写真に収めて調べているのも、おそらく私くらいなのでしょうね。だんだん自分でも"一体何やってんだろ?"という気がしてきます。。確かに盗人本流には違いありませんが、本当に見た目にはただの側溝ですもの。。

 

nusutto44.jpg (76318 バイト)

 れ・水が無くなっている!!このすぐ上はバス道なのですが、その直前でご覧のような3段落ちの滝になっていました。しかし此処には水がありません(思わず水を流してみたくなります)。。では本流は何処から??写真の地点よりも少し手前、蓋をされて覆われた部分を覗き込んでよく見てみると、右手の路地から水が流れ込んでいるのが見えました。

 

nusutto42.jpg (72341 バイト) 

 これがその流れです。側溝に流れ込む直前の状態でして、画像のすぐ手前側に辿ってきた側溝があります。この先は自動販売機の先で90度に左へ屈曲しております。

 

nusutto43.jpg (123462 バイト) nusutto45.jpg (115445 バイト) nusutto46.jpg (105037 バイト)

 先ほどの屈曲点から先を見たところ。雨樋の水が流入する仕組みになってますね。。突き当たりの部分には配水管が口を開けています。近づいてよくみると配水管は3箇所あり上の白いビニール管からは水は出ていません。左はかなり苔むしてしまっていて、風化の度合いがまるで自然の湧水のように見えて良い雰囲気なのですが、此処にも若干水の流れがあるようです。もしかしたら本当に摩耶山系の湧水かも知れません。。で、右側の塩ビパイプから主に通水があるのですが、これは何処から来るのか。内部をフラッシュ撮影すると右へ約90度屈曲しております(拡大画像は自粛)。

nusutto47.jpg (93952 バイト) nusutto48.jpg (119472 バイト)

 屈曲の先を見るとまだ先に流路が続いておりますが、その先で緑に覆われて姿が見えなくなります。写真には残せなかったのですが、此処に何と!沢蟹がいました。近づくとサッとコンクリートの隙間に隠れてしまって残念ながらその姿を撮影する事は出来なかったのですが、ちゃんと生きて行けるのですね。。この場所、何度も訪問しておりますが本当に水が枯れていたという事は1度もありませんでしたし、一応緑も土もありますので、人工的なビオトーブを造らなくとも小さな"自然"の中で逞しく生きているのでしょう。。右画像は先ほどの塩ビパイプへの流入口です。

nusutto49.jpg (199774 バイト) 雑草に覆われる側溝、、更に板で塞がれております。

nusutto50.jpg (129374 バイト) nusutto51.jpg (148793 バイト)

 流路の先を上から撮影。此処が辿って来た盗人本流の源流部。雨水を落とす樋の下から流路が始まっております。水源は雨水と周辺住宅の生活排水でしょうか、、もしくはこの樋の下に摩耶山系の湧水が−ってサスガにそれは無いか。。ドキドキしながら此処まで辿って来た盗人本流ですが、やっぱりというか何というか、、そんな感じの結果になってしまいました。ちょっと寂しくもありますが、充分に楽しませてくれました。。

 

 

おまけPart,2−阪急王子公園駅・電光掲示板の地図に堂々記載の"盗人川"

nusutto.jpg (61515 バイト)  駅の地図にキッチリ河川名が書き込まれていて、発見した時は嬉しかったのですが、地図をよくよく確認してみると此の場所を流れるのは盗人でなく観音寺川の筈。。実際にはその隣の河川が盗人な訳ですが、そんな事実を気にする人は誰もいないのでしょうか(寂) しかし探索前にこの地図を見ていたら迷ってしまうところでした。。

盗人川・完

 

◆関連サイト:ナダタマ naddist2003,8,20に盗人川の記述が..

文中の*1福住渓谷、*2福住の滝"はナダタマ様による呼称です

戻る

inserted by FC2 system