盗人川最下流部〜観音寺川

 さて、神戸市灘区内を流れる珍名河川・盗人川ですけれど(またかよ)..JR線をトンネルで抜けた後、ご存知の様に灘南第一橋の先で暗渠を抜けてきた観音寺川と合流し、以南は観音寺川とその名称を変えます。以前にご紹介した通り"盗人川"としての流れは即ち此処までという事になる訳ですが、それでは此処から先はどのように流れ逝くでしょうか。せっかくですので(何がせっかくだか分かりませぬが..) 今回は此処から先、海に注ぐまでの流れをしつこく追って行きたいと思います。けれども盗人川を此処までしつこく&しつこく取り上げるのも、やはりおそらくは私くらいでしょうね。。

 

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 場所は灘南第2橋から盗人&観音寺川の合流点をみたところ。以前にもご紹介した例の場所でありますけれども、いつ見ても判り難い合流点です。上から流れて来るのが盗人で、コンクリート護岸にポッカリと長方形の口を開ける暗渠開口部が観音寺川。ちょうど盗人の護岸をくり抜いたカタチになっております。故にこの橋の下の流れは既に観音寺川です。

 

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 同じ場所から下流部を見たところです。向こうに見える白のガードレールが灘南第3橋、その向こうに国道2号線の交差点があります。地形の高低差の所為で同じ橋からでもコチラは河床部がかなり深くなっており、またこの橋を境にして川幅も少し広がっているようです。水量は河床部を満たす程度ですが、傾斜もある為かそこそこ"流れて"おります。さすがに此処まで下流に来ると、天候に関わらず水が枯れているといったことは殆ど無いようです。

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 灘南第3橋から先ほどの灘南第2橋を見たところ。住宅地の中を屈曲しながら縫うように流れていて、良い雰囲気。河川のある風景というのは何とも独特の趣があるものです。この橋も、先の灘南第2橋同様に銘板が橋桁の外側部分に取り付けられていて、よほど注意深い人でなければ気づかないでしょう。いや、それ以前にわざわざこんな小さな河川に架かった橋の銘板に注目しようとも思わないでしょうが..竣工年月日は灘南第2橋と同じく1977年3月とあります。これは河川の銘板というよりも、ビルの定礎板のような意味合いのものなのでしょう、きっと。

 

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 灘南第3橋から下流部。向こうに暗渠の入口が見えておりますが、国道2号線の交差点を暗渠で潜っている訳です。したがって2号線に橋はありません。−が、歩道のちょうど河川部分にあたる部分にだけアスファルトでないコンクリートの跡があるので、以前は橋が架かっていたのかも。。川幅が増し、もはや"小さな流れ"とはいえないような雰囲気になってきました。トンネルに入る直前に小さな滝があり、地下に水音が響いております。
 下の写真は灘南第3橋のある風景。右は国道2号線に架かる歩道橋の上から撮影したもの。こうして俯瞰で見るといかに住宅密集地の中を屈曲して流れているかがよく分かります。

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 国道2号線を斜めに横切って出て来たところ。盗人の合流点以降、川幅が増して随分と存在感のある雰囲気になっていたのですが、この2号線を境に地形の傾斜が無くなると同時に川も浅くなって小河川といった佇まいに戻ります。何だかだまし絵を見ているようで不思議な感じが致しますね。もしかして歩道を拡張して川幅を縮めた??しかもこの場所、小さな階段がついていて下に降りられるようになっているではないですか(画像はちょうどその階段部分から撮影したものです)。けれども降りた先は行き止まり..一体どうしろと。。これはやはりこの観音寺川の水の流れを間近で楽しめということであろうと思われますので、取り敢えず下に降りて暗渠部分をのぞいてみることに(なんで..)。

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 トンネルには鉄柵が施されており、またその鉄柵には錠が下ろされ、かなり厳重。以前見に来た時には内部に何やら資材が置かれている様子でしたが、今は無いようです。中はかなり狭く、また漆黒の闇状態で流路の先は何も見えません。闇の中からは仄かに例の下水のかほりが漂って来ておりまして微かに水音も聴こえます。。無理矢理に鉄柵越しにフラッシュ撮影したのが上の画像ですが、流路中央部分はコンクリートで固められており、水は画像の右横部分を流れているものと思われます。少し先に堰が見えるようですが、あれは何でしょうか。水音が聴こえるという事は、小滝でもあるのでしょうか。この暗渠内で川幅も随分と縮小されているようなのですが、内部でどのようになっているのか、ちょっと気になるところです。

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 暗渠開口部から流路の先を見たところです。水は濁っているというような事もなく、生活排水の流入はおそらくあると思いますが取り敢えずは澄んでいて、しづかな水のせせらぎに心が癒されるようであります。。向こうに見えるのが船寺第1橋。独特の意匠を施した橋ですが、実は見た目だけではなくちょっとした仕掛けがあるのです。

 

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 船寺第1橋全景。ちょっと異質な感じのするデザインになっておりますが、実はこの橋"水あかり"と名づけられた独自のライトアップ設備が施されているのです。即ち夜になると、水色のパイプ状の欄干に下向きに取り付けられた照明(白色の蛍光灯です)が水面をほの明るく照らすのでした。名のある一級河川において橋や川のライトアップは決して珍しい事ではありませんけれども、このような小河川で、というのはかなり珍しい例ではないかと思います。実に実にいじらしいではありませんか..が、せっかくのこの有意義な設備、私が最初に見に行った時には既に電球が切れかかっていたのですが、その後見に行く都度点灯しなくなり、最期には殆ど点いていない状態になっていたのですが、現在ではどうなのでしょうか..改善されている事を望みます。やはりこのような小規模の都市河川はどうあっても忘れられてしまう存在なのだなぁ..と寂しく感じたものでありました。
 ライトアップの設備を除けば橋桁それ自体はかなり旧いもののようです。この橋の銘板の取り付け位置も、盗人・泉東橋同様のスタイル。この位置に銘板の入っている例は珍しいような気が致しますが実際どうなのでしょうか。

 

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 船寺第1橋反対側の欄干。こちらには銘板は入っておりません。リニューアルされる前はおそらくガードレールかステンレス製の何の変哲も無い橋だったのでしょうね。

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 船寺第1橋から下流を見たところ。此処から暫くは道路に沿って直線で流れて逝きます。小さな木製の橋が見えますがちょうどモデルルームの入口にある無名橋で、その向こうが船寺第2橋です。岸の植込みを見ると、歩道を整備する際に川幅を縮小したっぽい雰囲気ですね。。

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 これが船寺第2橋。この橋のコンセプトは"丸木あかり"。そう、この橋もライトアップ設備を持った橋なのでした。"水あかり"が水面を照らしていたのに対し、こちらは下から橋自体を照らす仕様。丸太状の柵と柵の間にライトが取り付けられており、電球色の明かりが灯るようになっております。

 しかしまさか盗人下流に来て、このような設備に出くわそうとは夢にも思いませんでしたので、これを最初に見た時には感動しました。まるで突然変異..画期的な存在ではありますし、この橋のライトアップが見たくてわざわざ暗くなるのを待っていたものです。神戸ルミナリエの点灯式には多くの人が訪れますが、この船寺第2橋の点灯を見守るのは私くらいか、などと思いつつ。。橋の明かりが川面の水の流れにゆらゆらと映って小さいながらも風情を醸し出して..という感じなのですが、残念ながらコチラも電球が切れて所々しか点灯していなくて何だか物悲しい雰囲気..ある種の侘しさを醸し出しておりました。。それがまた盗人川らしいといへばそうなのかもですが。

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 船寺第2橋から上流を見たところですが、こうして見るとちょっとした親水公園のような趣ですね。中州も出来ておりますし..おそらく人工的に造られた中洲ではないと思うのですが。。

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 船寺第2橋を過ぎると阪神電車の高架下を潜りますが、そのちょうど高架下に小さな水門がありました。画像では逆光になってしまっておりますが、水門の手前に中州が出来ているのがわかります。都会の1コマという感じです。

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 水門を真上から見たところ。見たところ中央部分に鉄板を填め込む仕組みになっているようですが、いつ利用されるんでしょうか。またその填め込まれるのであろう鉄板は何処にあるのか..何処か別の場所に保管されているのでしょうか。。

 水門の入口はこのように厳重に施錠されております。この管理ぶりに、逆に驚かされます。入ると危険という意図なのか、それとも盗難防止..といっても特に盗難に遭いそうなものも見られませんので、やはりこれは悪戯防止かな。。

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 阪神電車の高架を抜けてケンコーマヨネーズ社(学校給食には欠かせませんでしたね)を横目に、更に直線で流れ逝きます。向こうに見えるガードレール橋は、船寺第三橋です。

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 船寺第三橋から上流を見たところ。小さな滝(というか単なる段差)があり、水のせせらぎが聴こえます。この橋はこれまでの船寺第1,2橋のような特殊仕様ではなく、ごく普通のガードレール橋で、銘板取付位置も先ほどの橋と同様、橋桁部分に横向き入っております。どういう訳かこの観音寺川、河川名と竣工年月日の記載が殆ど無いという状態なのですが、経費削減でしょうか、この橋も銘板はこの1枚のみです。何も予備知識が無いと、此処が"観音寺川"なる有名河川であるとは誰にも分からないというのは少し寂しいような気が。。盗人川にさえ河川名の表示があったというのに。

 

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 船寺第三橋を越え、出ました!!まさかの親水設備。一体全体どうしちゃったんでしょう、、と思って調べてみたところ、橋のライトアップと共に'94年に行われた"観音寺川せせらぎづくり"なる公共事業の一環であるようです。竣工時のイベントでは魚のつかみ捕りや鯉の放流も行われたとの事。水質が気になるところですが..一応見た目には取り敢えず濁っていたり泡立っていたりゴミが浮いていたりといった事もなく、澄んでいてキレイには見えるものの。。

 

 ◆観音寺川親水設備全景◆

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 さて、この"観音寺川せせらぎづくり"..計画では"せせらぎ五橋・まちあかり"のコンセプトの元、これ以降の橋も整備される予定だったようなのですが、ライトアップの設備が整っているのは船寺第1,2橋のみ。どうやら第1期工事完了後は、震災の影響もあってそれどころではなくなってしまったようです。。しかし親水設備は整っていて、下に降りて川に近づけるようになっていますし、飛び石まで用意されております。ともあれ簡単に河川を暗渠化してしまうのでなく、河川(−ひいては地域)に対する愛情が感じられるようで、何とも微笑ましくも良い光景ではありませんか。。

 

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 下都橋(しもみやこはし)から先ほどの親水設備を眺めたところ。ステンレス製の橋ですが、珍しく銘板が2枚あります。しかしどういう訳だか1枚はこれまでと同様に橋桁部分に、そしてもう1枚は欄干の鉄柵部分に取り付けられているという、何ともアンバランスな佇まい。ちなみにこの橋が観音寺川最期の有名橋です。

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 下都橋を過ぎてすぐの処で3連の滝(というか段差)がせせらぎをつくっておりました。単なるスロープにしてしまわないのは、やはり街に水音を響かせようという意図なのでしょうね。せせらぎ計画によっておそらく河床部も整備されたのでしょう。ちょっとゴミが目立ちますのが残念ですけれども。。

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 ↑3連の滝アップ。河床部の藻と枯れ葉が良い風情です

 

kan46.jpg (138086 バイト)  直線区間が此処でようやく終わり、左へ屈曲しておりますが、実は画像の橋(無名の私設橋です)の向こうに謎の合流点があるのです。。

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 これがその謎の合流点。先ほどの場所をちょうど反対側から見たところです。右が観音寺川、左に水の全く無い暗渠がポッカリと口を開けております。これは一体に何処から繋がっているのか..ちなみに道路の反対側にも開渠部分は無く、完全に暗渠化された河川..合流式下水道に変えられてしまった都市河川の末期の姿かも知れない、と最初に見た時には思ったのですが。護岸コンクリートも観音寺のそれと比べて随分と旧いもののように見えます。

 

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 暗渠内部をフラッシュ撮影。合流式下水道の例の轟音は聞こえないようですが、単に街の騒音で聞こえないだけかも。雨が降ると闇の中から大量の水がドンドコやって来るのかも知れません。想像するとゾッとするものがあります。この暗闇は一体何処へ繋がっているのだろうか。。

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 欄干(?)部分のアップ。この欄干も旧いもののようですが、河川名の表示などは何処にもありません。ちなみに欄干はこちら側だけで、流路のある方向と思われる道路の反対側にはそれらしきものは何もありませんでした。地図で確認してみたところ、この流路をそのまま延伸すると観音寺川と並行して流れる西郷川に突き当たります。もしかしたらこれ、河川増水時の為の分派放水路かも知れません..水が全く無いのはその所為かも。欄干が片方しか無いのも、元々存在していた河川を埋めたのではなくて最初から暗渠だったからでは?銘板が無いというのも河川表示が無かったからでわ。。実際に観音寺川上流部にも観音寺川→西郷川に通じる分派放水路がありますので、此の場所に西郷川→観音寺川のそれがあっても何ら不思議ではありません。だとしたらこの延長線上にある西郷川の護岸にも同様の開口部がある筈..という訳で後日調査に出かけたのですが、西郷川の護岸にそれらしき開口部は存在しませんでした。もっと別の場所に存在するのか、、うぅむ謎は深まるばかりです。これに関しては、また改めて探索したいと思います。

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 合流点を"引き"で見ると、観音寺川の方が屈曲しているのがよく分かります。正面の暗渠の方がむしろ本流といった感じにも見えますね。合流点を越えて、またまた川幅が広がりました。直線区間を過ぎたこのあたりからは、川は通常の都市河川といった趣に戻ります。護岸からニョッキリ突き出た排水管が何処となくシュール。

 

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 同じ場所から下流部を見たところですが、見ての通りの三面コンクリート張りの都市河川。向こうに見えるのは隣接する事務所に出入りするための銘板無しの私設橋。橋の上に堆く積み上げられたゴミが気になります。。此処から建物の隙間を縫って国道43号線に出るのですが、写真の屈曲のすぐ先が国道になります。橋の袂の白い壁の建物は何と派出所でして、まるで倉敷の白壁のような意匠を施してあります。

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 国道43号線の下を潜って逝きます。国道には石造の旧い橋が架かっております。

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 その橋の欄干。銘板はどうやら何処にも無いようです。嘗て取り付けられていた跡のようなものも見えません。国道に架かる有名河川の橋としては随分とぞんざいな扱いですね。。

kan55.jpg (97724 バイト)  橋の上から上流部を見たところ。屈曲して流れて来ている様子がわかります。ゴミの山、日に灼けたコンクリート、隣接する工場群..哀しいくらいに"都会"です。。

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 国道43号線を潜って出て来た処。思えば随分と下流までやって来たものです。盗人川..最初はほんの小さな流れだったのに。。終点はもうすぐ其処..辺りはもう海の匂いがします。晴れた空には海鳥が飛び交っております。

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 先ほどと同じ場所から下流部を見たところです。向こうに薄緑色の橋が架かっているのが見えますが、その下の暗がりは..暗渠?近づいて見てみる事に致しましょう。

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 緑色の橋は上の歩道橋から連続して繋がっているものでした。厳密には河川に架かる橋ではありませんので、したがって銘板も無いという訳です。この先は大きな交差点でして、幅の広い道路にはトラックが行き交い、交通量の多さ故か横断歩道も無く、ぐるりを歩道橋が張り巡らされております。

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 歩道橋下の暗渠部分..壁に2つの小さなトンネルが開いているのが見えます。河床部に傾斜がついているのか水は右端に集まって流れた後に、その先で溜まっております。しかし一体どうして通常の暗渠ではなく2つのトンネルに水を分流させる必要があるのでしょうか?

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 トンネル部分から上流部を振り返って撮影。正面に見えるのが先ほどの国道43号線。此処が観音寺川開渠部の最期の姿です。水は此処まで流れて、やがてトンネルの入り口へと吸い込まれて逝くのでした。。

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 トンネル部分です。水が溜まっているように見えるのは、おそらく満潮で海の水が上がって来ているのではないかと思われます。場所は阪神高速の麻耶ランプのちょうど真下になりますが、此処が観音寺川の最終地点。流路はトンネルとなって此処から道路を斜めに横切り、やがて西郷川へと注ぎます。

 

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 西郷川の護岸にポッカリと開いたこのトンネルの出口が観音寺川河口部の姿です。下流部では川幅もかなり増大していた観音寺川、滝のように流れ落ちる感動的な河口部が見られるかと思いきや、壁に穴ポッカリというちょっと間抜けな佇まい。。思えば盗人&観音寺川の合流点もこんな感じでしたっけ。トンネルの形状が先ほどと異なっているのが気になるところですが、中は果たしてどのようになっているのでしょうか。。西郷川は観音寺川とほぼ並行に流れている都市河川。川幅が大きい割にあまり水量の多くない(観音寺とほぼ同量程度)河川ですので、画像に見えるこの豊富な水は殆どが海水です。潮がひくと河床部が姿を現すのでしょうか。。

kan99.jpg (5159 バイト)トンネル出口付近に漂う水鳥。。

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 トンネル開口部を上から見たところ。トンネル上部のアスファルトにある蓋のようなものが、流路が斜めに屈曲して道路を横切っている様子を如実に物語っております。

 

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 トンネル開口部から西郷川下流部を見た風景。画像に見える橋は"HAT灘の浜橋"。橋の向こうは海。もう夕暮れ間近..陽が傾いて来ました。。

 

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 西郷川河口部.."HAT灘の浜橋"の下に見える茶色の橋が西郷川に架かる最期の橋・川口橋。川はこうして神戸港へと注ぎます。長かった盗人探索も此処でようやく本当に終わり。わくわくするような旅もいつかはこうして終わりを告げるのです。ちょうど夕暮れが1日の終わりを告げるように。。

 探索を続けてまいりました盗人川..改めて思えば、見る場所によってこれだけ趣を変える河川というのも珍しいのではないでしょうか。側溝状態の最上流部に始まり、愛すべき小河川といった佇まいで福角川&観音寺川と合流。徐々に川幅を増したかと思えば国道を越えると今度は小川のせせらぎ状態に。更に親水設備あり、橋のライトアップあり、その後はまたまた川幅増大し、河口部はといへば壁の穴状態。。充分に我々の眼を楽しませてくれました。都市の隙間を縫って流れる小さな流れではありますが、時代が変わっても愛される存在であって欲しいと切に祈りつつ、レポートを終えたいと思います。。

 

観音寺川・完

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